2025.02.24

砂の申し子ここにあり、苦難を乗り越え世代ラストの新馬戦を快勝

スタートを何とか無難にまとめると、前半はやや力みを見せつつ好位5番手を追走。前に壁をつくってからは折り合いもつき、十分な手応えを残して直線を迎えると、抜け出すタイミングを待つほど余裕のあるストライドで先頭へ。ノーステッキのまま先行勢を楽々捕え切り、現3歳世代ラストウィークとなる新馬戦で1番人気に応えてデビュー勝ちを果たした。昨年3月の初入厩からおよそ1年。ゲート難や去勢、二度の除外など、初陣までの道のりは決して平坦ではなかったが、牧場や厩舎スタッフたちの弛まぬ努力が実を結び、レッドエウロスが持つ潜在能力の一端を引き出してくれた格好だ。父ルヴァンスレーヴ、母の父クロフネ、近親ヴァーミリアンのいずれもが最優秀ダートホースという、まさしく砂の申し子。走りのバランスや精神面の危うさに改善点を残し、まだまだ覚えることも多い段階ではあるが、今回のレースぶりが示すとおり、心肺機能や脚力は一級品。その名のごとく、“豊饒を恵む風神”の加護を得て、昨年末に有終の美を飾って引退した田中博康厩舎の看板馬レモンポップの功績にどれだけ近づけるか。一戦ごとの進化を楽しみに見守っていきたい。

レッドエウロス
父:ルヴァンスレーヴ 母:レッドパラス 母父:クロフネ 美浦・田中博康厩舎
2025.02.22 東京4R 3歳新馬 ダ1600m 原優介騎手