苦難を乗り越え３年半ぶりの歓喜、価値ある２勝目に感慨無量

ポンとスタートを切り、前半は前に壁を作って走りのバランスを整えながら、好位３、４番手の内々を追走。直線に向いて前２頭を追いかけるように脚を伸ばし、その間を割って進出を開始すると、ゴール前で逃げ馬をクビ差とらえきって先頭ゴール。３歳６月の初勝利から実に３年半ぶりとなる待望の２勝目を叶えた。初勝利後は骨折や蟻洞の不運を乗り越え、５歳夏には去勢を実施。さらに今春からの障害転向プランも幻に終わってしまった。抜け出せない暗闇からの脱出は奇しくも、その期間中のトレーニングや試行錯誤、障害練習におけるフォームの改善やトモの強化が線でつながり、今回の歓喜を呼び起こしたようだ。牝系はレッドジゼルやレッドイリーゼを介して日本でも枝葉を広げつつあるMagnificient Styleの系譜。母スタイルリスティックはキングジョージ六世＆クイーンエリザベスＳの覇者Nathanielや愛オークス馬Great Heavensの半姉にあたる超良血馬で、半兄レッドアンシェルはスプリント重賞２勝の実績。その血を思えば、さらなる勝利を欲張りたいところだが、苦難を乗り越えたどり着いたこの瞬間の価値は計り知れない。来年２月で定年を迎える音無秀孝調教師にとっても、殊に感慨深い勝ち星となった。

レッドフランカー
父：リアルインパクト　母：スタイルリスティック　母父：Storm Cat　栗東・音無秀孝厩舎
2024.12.15　中京７Ｒ ３歳以上１勝クラス　ダ1400ｍ　原優介騎手