実力馬がついに完全復活、９歳にして待望のオープン勝ち

ゲートで僅かに後手を踏み、前半は本馬のリズムを重視して最後方からの競馬。道中でしっかりと脚を溜め、大外へ進路を取って追い出されると、一完歩ごとに力強いフットワークでライバルたちを猛襲。直線だけで鮮やかに差し切り、９歳にして待望のオープンクラス初勝利を果たした。東京のダート1400ｍ戦では一度も掲示板を外しておらず、決め手勝負は望むところ。絶好の展開も味方につけて、手の内に入れている吉田豊騎手がこの馬の持ち味を存分に引き出してくれた。２０１９年秋以降、勝利から遠ざかること４年３ヶ月余り。３歳時にはＮＨＫマイルカップで３着に好走した実績馬が、美浦転厩やダート転向などの試行錯誤を経て、遂に完全復活の雄叫びを上げた格好だ。半兄のリディルやクラレント、レッドアリオンなど重賞における活躍馬を次々に輩出した名繁殖牝馬エリモピクシーだが、産駒のダート勝ちは今回が初めて。９歳という年齢を感じさせないパワフルさが身上のレッドヴェイロン。今後もいぶし銀の走りでファンを魅了し続けていってもらいたい。

レッドヴェイロン
父：キングカメハメハ　母：エリモピクシー　母父：ダンシングブレーヴ　美浦・鹿戸雄一厩舎
2024.02.11　東京１０Ｒ バレンタインステークス　ダ1400ｍ　吉田豊騎手