2015.09.07

レッドファーレン、接戦を制す!

スーパー未勝利戦を前に
もう後がないこの時期の3歳未勝利戦。
前走着順の良い馬が優先的に出走できるため、
この時期だからといってレベルが低いとは限らず、
むしろ運悪く勝ち運に見放されてきた素質馬たちの
生き残りをかけたサバイバルレースの様相をなしています。
そんな悲壮感すら漂うこの厳しい戦いを、
我らがレッドファーレンが僅差ながらも制してくれました。

本馬の母は、関東牝馬ながら新馬戦で京都にまで遠征し、
牡馬をなで切ったクラブ所属のヘヴンリークルーズ。
当時の3着馬はあのシルポートでした。
その後の成績から地味な印象を受ける母ですが、
これはなかなか見られない偉業ですし、
その後3勝を積み重ねた成績も立派なものでした。

初仔のファーレンはデビューから3戦見どころがなく、
タックスヘイヴンに遡る牝系の特色である
堅実な走りの片鱗すら見せることもなかったのですが、
舞台を北海道の短距離戦に移してからは一変、
崩れることなく勝利まであと一歩のところまできていました。

しかし、前述の通り、そうしたあと一歩の
馬たちばかりが集うこの時期の未勝利戦ですから、
そう簡単に抜け出せるものではありません。
使い詰めによる体調管理にも苦労はあったことでしょう。
この勝利は馬の頑張りはもちろんのこと、
厩舎関係者の尽力によるところも大きく、
母でも勝ち鞍を挙げている丸田騎手のナイスアシストも
多分にあったように思います。

これでようやくファーレン(航海)のスタートです。
命名時に名づけられた願いの通り、
ここから順風満帆に大海原を突き進んでもらいたいものです。