2025.03.28
スポニチアネックス
【高松宮記念】川又 エイシンフェンサー“恩返し”戴冠だ!「G1に乗れるのも本当に感謝してる」
シルクロードS覇者エイシンフェンサーと川又賢治(27)は一戦ごとに絆を深める名コンビ。ここも人馬一体の走りでゴールを目指す。

タイトル奪取の勢いに乗って頂点を目指す。デビュー9年目の川又は先月2日、エイシンフェンサーに騎乗したシルクロードSで初の重賞V。昨年2月の小倉から9走連続、通算13度目のコンビだった。「操縦性やゲートはずっと良かったんです。ただ、以前は直線、伸びそうで伸びない感じでした。(2走前から)はじけてくれるようになりました」と連勝劇を振り返る。2走前カーバンクルSが11番人気V、前走シルクロードSが9番人気で波乱演出。繁殖入りを視野に入れてのレースだったが結果を出したことで現役続行が決まった。「重賞を勝てる力があると思っていました。それを実現できて、うれしい。ここまでつないでくれて良かったです」と充実ぶりを肌で感じている。
思い入れは誰よりも強く「つらい時に出合えた馬」と表現する。22年6月に函館で落馬負傷し、右鎖骨を骨折。「ケガをして乗り鞍が減り、勝ち星も減ってしまった」と話すように負のスパイラルに陥った。23年6月の函館で初コンビ結成。1勝クラスVに導き、躍進のきっかけをつかんだ。
川又は今年、エイシンフェンサーとの2勝以外にもヴェルミセルでダイヤモンドS3着、イスラアネーロで令月S3着など吉村厩舎の管理馬で存在感を示している。「以前からずっと調教を手伝っていて、(吉村師に)一緒に頑張っていこうと言っていただき(今月1日付で)所属騎手になっています。G1にも乗れるので本当に感謝しています」とかみしめた。
自身3度目のG1騎乗となる今回もベストを尽くすのみ。「先生やスタッフの皆さんと一緒にG1を獲って、恩返しをしたいです」ときっぱり。パートナーの全能力を引き出し、大願を成就させる意気込みだ。
◇川又 賢治(かわまた・けんじ)1997年(平9)11月19日生まれ、東京都出身の27歳。競馬学校時代には騎乗技術に優れていた生徒に贈られるアイルランド大使特別賞を受賞。17年3月に栗東・森秀厩舎所属でデビュー。同11日の阪神6RマテラスカイでJRA初勝利を挙げる。18年5月1日にフリーになり、今月1日から吉村厩舎に所属。G1は18年エリザベス女王杯(ヴァフラーム10着)、22年マイルCS(ハッピーアワー16着)以来、3度目の騎乗。JRA通算2392戦121勝、うち重賞1勝。
《吉村師も期待》エイシンフェンサーを管理する吉村師は川又について「(シルクロードSを勝った時は)うるっと来た。調教を手伝ってくれるようになってから付き合いも長いしね。素直で、みんなに好かれる人柄」と評した。重賞を制して堂々、本番へ。「オーナーの理解もあって乗ることができる。あまりG1だからと考え過ぎず、思うように乗ってほしい」と期待を込めた。