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2025.03.17

スポニチアネックス

【スプリングS】ピコチャンブラック快挙!父子3代制覇達成 皐月賞でクロワに“リベンジ”だ

 皐月賞トライアル「第74回スプリングS」が16日、中山競馬場で行われ、2番人気ピコチャンブラックが3角先頭から押し切って重賞初制覇。祖父ブラックタイド→父キタサンブラックに続き、同レース初の父系3代制覇を達成した。管理する上原佑紀師(35)は開業3年目で初タイトル。2着フクノブルーレイク、3着キングスコールまでが皐月賞(4月20日、中山)の優先出走権を獲得した。中京のG2「第61回金鯱賞」はクイーンズウォークが同レース30年ぶりとなる牝馬Vを飾った。

<中山11R・スプリングS>力強い走りでレ-スを制したピコチャンブラック。右は2着のフクノブルーレイク(撮影・郡司 修)

 かわいらしい名前からは想像できない反骨精神。ピコチャンブラックがホープフルS13着大敗からはい上がり、春の大舞台の扉をこじ開けた。「必ずクラシックに乗せないといけない馬だと思っていたのでまずはホッとしている」。まずは胸をなで下ろした上原佑師。続けて「改めてリベンジできるチャンスを得たので楽しみ」。視線は既にクロワデュノールなど、本番で待ち受ける強豪ライバルへと向けられた。

 前夜から降り続く雨に加え、芝は先行馬が止まらない状態。3度目のコンビとなった石橋は「あまり速くなければ前に利があるなと感じていたので、この馬のリズムを崩さないように、ハナに行っても良かった」。ダッシュ良くゲートを飛び出し先頭をうかがい、内が譲らないとみるや好位に控えて追走。3角手前から逃げたダノンセンチュリーに外から並びかけ、直線でスパートした。鞍上の“激励”に応え、最後はフクノブルーレイクの追い上げを首差振り切った。上原佑師は開業3年目でうれしい重賞初制覇。「厩舎の初勝利(23年3月18日中山12R)も石橋さんだし、感慨深いというか一生忘れられないだろうなという勝利になった」と喜びをかみしめた。

 世代上位の能力について疑う余地はなかったが、前走で露呈したのは精神面のもろさ。その課題を解消すべく、中間の調教はメンタル最優先で取り組んだ。ハミを替えるなど馬具も工夫した。「なるべく平常心で走ることをテーマに取り組んできたのが、それが生きた形になった。ちゃんと能力を出せれば結果はついてくると思っていた」と師。気持ちが高ぶりすぎた前走から一変。会心の勝利だ。

 04年Vの祖父ブラックタイド、15年Vの父キタサンブラックに続き、父子3代制覇を達成。早め先頭で押し切った戦いぶりは祖父、父を思い起こさせた。後続の追い上げを首差でしのいだのは父と全く同じ。さあ皐月賞へ。指揮官はまだ幼さを残す愛馬に対し「レース中もピョンと跳んじゃうところがあったので70%くらい。まだ上があると思う」。祖父が16着、父が3着で涙をのんだ大舞台へ挑む。

 ≪03年母父ネオユニヴァース、09年伯父アンライバルドもV≫ピコチャンブラックは祖父ブラックタイド(04年)、父キタサンブラック(15年)に続きスプリングS初の父子3代制覇。同様のケースは神戸新聞杯で祖父ディープインパクト(05年)→父サトノダイヤモンド(16年)→サトノグランツ(23年)が達成して以来。またピコチャンの母父ネオユニヴァースは03年、伯父(母の全兄)アンライバルドが09年スプリングSを制しており“一族”から5頭目の優勝馬となった。

 ◆ピコチャンブラック 父キタサンブラック 母トランプクイーン(母の父ネオユニヴァース)22年4月24日生まれ 牡3歳 美浦・上原佑厩舎所属 馬主・石部美恵子氏 生産者・北海道新ひだか町のチャンピオンズファーム 通算4戦2勝(重賞初勝利) 総獲得賞金6889万4000円 馬名の由来は冠名+敬称+父名の一部。