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2025.03.11

スポニチアネックス

【スプリングS】ピコチャンブラック メンタル強化で負けられない大一番へ「いかに平常心で臨めるか」

 春のクラシックロードに続く戦いが今週も繰り広げられる。日曜中山のメインは皐月賞トライアル第2弾「第74回スプリングS」(3着まで皐月賞優先出走権)。ホープフルS13着から雪辱を期すピコチャンブラックは、権利獲りへ向けてメンタル強化に取り組んでいる。世界の矢作芳人師が送り込むキングスコールも目が離せない存在。昨夏の新馬戦を2歳コースレコードで制した大器が、8カ月ぶりの実戦でどんな走りを見せるか注目が集まる。

巻き返すを期すピコチャンブラック

 父も両祖父も勝ったクラシックへの登竜門に向け、ピコチャンブラックが集中力を磨いている。前走ホープフルSで13着に敗れ、一生に一度の舞台を見据えると絶対に落とせない一戦。上原佑師も「大舞台で戦える馬?そういう馬だと思っている」と期待を抱く。

 昨夏の新馬戦は逃げ切って2着に7馬身差をつける圧勝劇。2戦目のアイビーSでは、後に共同通信杯を制したマスカレードボールに0秒2差の2着と世代屈指の実力を示した。だが、満を持して挑んだG1ホープフルSは3番人気に支持されるも大敗。向正面で捲ってきたファウストラーゼンにペースを乱されると、3~4角で他馬に次々とかわされて馬群に沈んだ。師が「気性の難しさがモロに出た。集中して走れなかった」と振り返ったように、メンタル面の不安が浮き彫りになった。

 課題克服へ、陣営は工夫を凝らしている。前走後は皐月賞トライアルの弥生賞ディープ記念やスプリングSを視野に調整。「2000メートルはこなせると思っているけど集中力が続かない」とジャッジし、200メートル短い後者をステップレースに選択した。調教の方針も転換。「今回は攻め過ぎるというより“走ることは苦しいことではないんだよ”ということを分からせるようにしてきた」。稽古の動きより馬の気持ちを優先。レース本番まで集中力が途切れないように努めている。

 今回はデビューから2戦連続で手綱を取った石橋とコンビ復活。中間は鞍上が付きっきりでコンタクトを取っている。2週前には美浦Wコースを単走馬なりで6F82秒5~1F11秒4。余力十分に好時計をマークした。「順調にきていてフィジカル面は出来上がっている。レースをいかに平常心で臨めるか」と指揮官。ポテンシャルを全て発揮した先には春のクラシックが待っている。