2025.03.01
スポニチアネックス
中山記念にカラテを送り込む音無師と馬主・小田切光さんの運命的なストーリー
今年70歳の定年引退となる調教師は2日に最後の中央競馬開催日を迎える。JRA・G114勝の名伯楽・音無秀孝師はラスト重賞となる中山記念にカラテ(牡9)を送り込む。

カラテの馬主・小田切光さん(51)にとっては親子2代で縁のある調教師。父はモグモグパクパク、モチなど珍名馬でファンからも愛される有一氏。音無師は騎手時代の初勝利(1980年7月20日、小倉5R・4歳未勝利)が有一氏所有のヒノサトだった。光さんは「僕が生まれた町の馬名でした。音無先生の騎手としてG1初制覇も父が所有していたノアノハコブネ(1985年オークス)。調教師としてのG1初制覇も父のオレハマッテルゼでした」と懐かしく振り返る。
光さんが馬主になろうと思ったきっかけがオレハマッテルゼが制した2006年の高松宮記念。「勝った時に音無先生と父が本当にうれしそうに握手していて。騎手と調教師のG1初制覇が両方とも父の馬で、そのストーリーを目の当たりにして何かもの凄くうらやましかったんですよね。競馬の競走だけじゃないロマンを感じた瞬間でした。それで僕も馬主をやってみたいなと思いました」
光さんの馬主としての初勝利も音無厩舎のトツゼンノハピネスだった。「音無先生とはいつも一緒に考えて、どのレースを使うとか、どの騎手に乗ってもらうか選ばせてもらうこともありました。馬主になって楽しい、心躍る気持ちを教えていただきましたね。本当にいい時間でしたし、可愛がってもらえて感謝しかないです。最後にカラテで恩返ししたいですね。最終日に奇跡、起こせれば」とレースを見守る。JRA重賞90勝を挙げた音無師にとって最後の重賞。感動的な結末を期待したい。