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2025.02.24

スポニチアネックス

【サウジC】“世界のYAHAGI”フォーエバーヤング15億円V!海外G1初制覇、世界一への第一歩

 “世界のYAHAGI”の最高傑作だ!1着賞金1000万ドル(15億7020万円)の世界最高賞金額を誇る「第6回サウジカップ」が22日(日本時間23日未明)、サウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場で行われ、坂井瑠星(27)騎乗の日本馬フォーエバーヤング(牡4=矢作)が1分49秒09のコースレコードで1番人気に応え、海外G1初制覇。芝G1・10勝を挙げる香港の雄ロマンチックウォリアーとの壮絶なマッチレースを制した。鞍上の師匠・矢作芳人師(63)は23年パンサラッサ以来、2年ぶり2度目の同レースVとなった。

<サウジC>ロマンチックウォリアー(奧)との追い比べを制したフォーエバーヤング(撮影・坂田 高浩)

 中東で世紀のマッチレース。うなる手応えで捲った香港最強馬ロマンチックウォリアーが直線、堂々と先頭に立った。日本のフォーエバーヤングが食い下がる。が、その差は広がった。2馬身差。矢作師でさえ「諦めかけた」という劣勢の中、ドラマが待っていた。

 坂井が外に誘導して鼓舞するとギアが切り替わり、一完歩ずつ差が詰まる。意地とプライドが交錯した壮絶な追い比べ。ゴール前で馬体を並べて首差捉えると、坂井が感情を爆発させてガッツポーズ。日本馬が幾度も対戦して一度も先着できなかった芝G110勝の難敵を負かしてみせた。

 キャリア全てでコンビを組む坂井は「凄く自信がありました。負けると思った瞬間はなかったです」と胸を張る。3着に敗れた米国のケンタッキーダービー、BCクラシックでの悔しさを糧に海外G1初制覇を果たした。

 そのコメントを聞いた矢作師は「ハートが強いな」と弟子の頼もしいメンタルに舌を巻き、「信じていました。(ロマンチックが)止まってくれって思ったし、これで逆転したら映画よりすてきだな」と祈る思いだった。

 3着馬に10馬身以上の差をつけての一騎打ちを制したパフォーマンスに“世界のYAHAGI”も心を動かされた。「私が手がけた馬の中でも最高の馬だと確信しました」と絶賛。世界最高賞金額を誇る当レースを23年パンサラッサに続く2度目の制覇。「2度目だけど、これだけ感動するんだって自分でもビックリしています」

 今後はドバイワールドC(4月5日、メイダン)へ。秋には米G1のBCクラシック(11月2日、デルマー)でのリベンジも視野に入っている。指揮官は「サウジCとドバイワールドCをダブル(連勝)した馬はいないので、何とか成し遂げたいです」とさらなる偉業に意欲を見せた。まだまだ強くなる――。世界一になるための序章。フォーエバーヤングの時代はこれからやってくる。

 《4歳で賞金歴代3位》毎年フランスギャロが年始に公式レートを発表し、JRAはそれを基に海外のレースの賞金を換算する。今年は1ドル=約157.02円で、サウジCの1着賞金1000万ドルは15億7020万円となる。フォーエバーヤングの獲得賞金は21億9346万2000円(JRA発表前の暫定額)となり、日本調教馬の歴代獲得賞金ランキングでアーモンドアイを抜いて3位に浮上。また、歴代トップのウシュバテソーロは3着賞金200万ドル(3億1404万円)を加算し、25億6361万6400円となった。

 《元厩務員池田さん「感動」》23年の勝ち馬パンサラッサを担当し、同年9月に定年退職した元厩務員の池田康宏さん(66)がフォーエバーヤングの勝利に祝福コメントを寄せた。「装鞍所からパドック、表彰式まで見ていました。感動しました」とライブ中継を視聴して応援。「ロマンチックウォリアーも強かったですけど、(坂井)瑠星も馬も諦めずに差し返してくれた。あんな凄いレースはなかなか見られない。素晴らしい厩舎に在籍できたことを誇りに思います」としみじみ語った。