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2025.02.23

スポニチアネックス

【阪急杯】カンチェンジュンガV! 高松宮記念切符ゲットで16年父ビッグアーサーに続く“頂点”へ

 いざ、父が到達した頂へ――。「第69回阪急杯」が22日、京都競馬場で行われ、7番人気カンチェンジュンガが直線一気を決め、5度目の挑戦で重賞初制覇を果たした。父ビッグアーサーが16年に優勝した高松宮記念(3月30日、中京)の優先出走権を獲得した。

<阪急杯>カンチェンジュンガ(手前)が1着、左は2着のアサカラキング(撮影・井垣 忠夫)

 作戦通りの直線一気。青と黄の勝負服、桃色の帽子が馬群から大きく離れた大外を飛んできた。「凄い脚でした。気持ち良かった」。カンチェンジュンガの鞍上で極上の切れ味を堪能した幸は恍惚(こうこつ)の表情。「外に出した時に手応えがあったので、あとはどこまで伸びてくれるかと思った。馬が強かった」と新コンビのパートナーを称えた。

 テン乗りの鞍上に庄野師から授けられた戦略は「思い切って外に出してくれ」。道中はじっくり脚をため、極限まで爆発力を凝縮させた。アサカラキングが刻んだ前半3F35秒2は阪神の重馬場だった昨年より1秒3も遅い低速ラップ。万事休すかと思われたが、12番手で直線に向いたカンチェンジュンガは異次元の瞬発力を発揮。幸の右ムチに応え一完歩ごと差を縮めゴール寸前アサカラキングの前に出た。上がり3Fは4戦連続首位となる34秒0。文字通りの直線一気だった。

 作戦的中にしてやったりの指揮官は「前走から1F延びた分、追走も楽になっていい位置で運べた」と勝因を分析。3カ月ぶりで12キロ増だった馬体重(496キロ)について「予定通りというか想定内。調教もしっかり動いていたので心配していなかった」とパワーアップの一環との見立てだ。

 この勝利で父ビッグアーサーも5歳時に制した高松宮記念の優先出走権を獲得。師は「馬の様子を見ながら」と次走の明言はなかったが、幸は「(G1レベルでも)十分に力がある馬なので楽しみ」と期待をふくらませた。栗東トレセン坂路で猛時計を連発する、現役屈指の脚力の持ち主。世界第3位の標高を誇るヒマラヤの山の名を授けられた優駿が、誰もが踏破を志すG1の頂に立つ日は近いかもしれない。

 ◆カンチェンジュンガ 父ビッグアーサー、母クェスタボルタ(母の父ノヴェリスト)20年3月23日生まれ 牡5歳 栗東・庄野厩舎所属 馬主・幅田昌伸氏 生産者・北海道日高町サンバマウンテンファーム 戦績17戦5勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億109万1000円 馬名意味はヒマラヤ山脈にある世界第3位の高峰(8586メートル)から。