2025.02.12
スポニチアネックス
海外初遠征でさらなる飛躍誓う永島まなみ
日々トレセンや競馬場など現場で取材を続ける記者がテーマを考え、自由に書く東西リレーコラム「書く書くしかじか」。今週は栗東取材班の坂田高浩(40)が担当。来週21日にサウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場で行われる「インターナショナルジョッキーズチャレンジ」に選出されたデビュー5年目の永島まなみ(22)に自身初の海外遠征に向けての意気込みを聞いた。
![](https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2025/02/11/jpeg/20250211s10004048394000p_view.jpg)
世界の名手と技量を競う貴重な機会だ。「インターナショナルジョッキーズチャレンジ」に選出され、サウジアラビア遠征が決まった永島は「選んでいただいて光栄です。一つでも多く学んで、いい結果を出したいです」と声を弾ませた。昨年はマーメイドSで重賞初制覇を飾り、JRA通算100勝も達成。さらなる技術向上への意欲をにじませた。
海外に行くこと自体が初めて。「少し前にパスポートを取得しました。(英語は)全然ダメです。もっと頑張らないと」と照れ笑いを浮かべつつ、単語帳などで少しずつ習得している。「以前から海外に興味がありましたし、経験することで自分の引き出しになると思います」と意気込んだ。
インターナショナルジョッキーズチャレンジは男性7人、女性7人が選ばれ、サウジC前日に開催される騎手招待競走。過去に出場した川田(23年)や坂井(24年)からアドバイスをもらったという。そして今年はキング、ドイルといったJRA短期免許でも実績がある女性騎手が出場する。「ドイルさんとは以前、食事に行く機会があり(海外を)経験する、しないでは大きく違うという話をしていました」と振り返る。過去にキングと同じレースに騎乗したのは先月5日、中京5Rの1鞍だけ。接点がさほどなかっただけに「キングさんと一緒に乗れるので話をしたいです。日本の競馬を経験されているからこその話が聞ければ」と胸を躍らせた。
自身の技術向上のポイントについては「脚をためながら、折り合いのつけ方を磨きたいです。(ハミを)かむ馬で我慢するにしても脚をためられる抑え方と、勢いをそいでしまう抑え方があるので」と分析。デビュー5年目、経験を積むごとにポイントは変わって「より細かいところの技術」と違いを口にした。
現状にはまだまだ満足していない。「去年は重賞を勝たせていただき、充実した年でした」としつつ「勝利数でいえば一昨年より(JRA50勝→32勝で)減ってしまいました。今年はもっと頑張って32勝は超えたいです」と目標を掲げた。初の海外遠征で視野を広げ、ステップアップへのきっかけをつかむ。
◇永島 まなみ(ながしま・まなみ)2002年(平14)10月27日生まれ、兵庫県出身の22歳。21年3月、栗東・高橋康厩舎所属で騎手デビューし、JRA通算2084戦112勝。24年マーメイドS(アリスヴェリテ)で重賞初制覇。兵庫の元騎手で現在は調教師の永島太郎氏の次女として園田競馬場に隣接した住宅で育つ。幼稚園の頃に既に「夢は騎手」。1メートル60、45キロ。血液型A。
◇坂田 高浩(さかた・たかひろ)1984年(昭59)11月5日生まれ、三重県出身の40歳。07年入社で09年4月~16年3月に中央競馬担当。その後6年半、写真映像部で経験を積み、22年10月から再び競馬担当に。