2025.01.22

スポニチアネックス

【小倉牝馬S】オーロラエックス初代女王へ!格上挑戦も“恵量”51キロに

 今週から冬の小倉開催がスタート。開幕を飾るのは今年新設された、牝馬限定のハンデG3「第1回小倉牝馬S」(25日)。注目は3勝クラスの立場から果敢に格上挑戦するオーロラエックスだ。名門・杉山晴厩舎がその将来を嘱望する4戦3勝の4歳牝馬。飛躍の1年に向けて、“恵量”51キロも味方に初代女王の座を狙う。

オーロラエックス

 わずか4戦のキャリアでも、スケールの大きさが存分に伝わってくる大器。オーロラエックスを担当する野坂助手は「この馬に関してはもっと上に行かないといけないという責任感があります。こんなところで終わらせるわけにはいかない馬だと思っています」と語る。フェブラリーSの有力馬エンペラーワケアも手がける腕利きの言葉にも、自然と熱がこもる。

 4戦3勝。勝利は全て完璧といっていい圧巻の内容だった。前走のコントレイルメモリアル(2勝クラス)も2番手追走から、最後は馬なりで先頭に並びかけて後続を難なく完封した。唯一の黒星であるローズS(9着)はスタート直後の位置争いで他馬と接触。ようやく落ち着きかけた2角でも鞍上が立ち上がるような大きな不利があった。「あの時は全く力を出し切れなかった。(松山騎手も)悔しかったようですね。新馬の時からポテンシャルの高さは感じていましたし、まだまだ底を見せていません」。スムーズな競馬では、まだ負けていない。

 普段は「ツンデレ」のキャラクター。「馬房ではいつもうとうとリラックスしていて、おとなしいですけど、こちらからベタベタ触ろうとすると“何よ!”って(笑い)」。今回は初の小倉輸送となるが、性格的に不安はないという。「初めての環境でもおどおどしないタイプ。周りで馬が暴れていても気にしないですし、周囲に影響を受けない、マイペースで堂々としている馬です。自在性があるのでコース替わりも問題ないと思います」と前向きな言葉が並ぶ。

 そして何より、トレセンに衝撃が走ったのは月曜に決定したハンデ51キロ!!鞍上の松山にとっては14年プロキオンS(コーリンベリー=9着)以来、11年ぶりの重量51キロでの騎乗となる。格上挑戦とは到底思えない人気を背負うことになるだろうが、そんなものに押しつぶされるような器ではない。

 ▽小倉牝馬S 昨年まで同時期に定着していた愛知杯の競走条件(4歳以上、牝馬限定、芝2000メートル、ハンデ)を引き継ぐ形で新設されたG3。愛知杯は京都牝馬S(今年から取りやめ)の競走条件を引き継ぎ、3月23日(中京芝1400メートル)に移された。

 《松山成績は優秀》松山はJRA公式プロフィールの体重が51・0キロ。重量52キロでの騎乗でさえ、2年2カ月前の22年11月19日の東京9R・晩秋S(シダー3着)が最後だ。週末に向けて過酷な体づくりが求められる。ちなみに、14年以前は重量51キロで計219鞍に騎乗。通算【16・8・21・174】で、単勝回収率122%、複勝回収率107%と優秀な成績を残している。