2025.01.22

スポニチアネックス

伸び盛り石田 “二十歳の誓い”20勝目指す!

 日々トレセンや競馬場で取材を続ける記者がテーマを考え、自由に書く東西リレーコラム「書く書くしかじか」。今週は東京本社・後藤光志(29)が担当する。今月20日、20歳の誕生日を迎えた“新成人”石田拓郎に話を聞いた。飛躍を期す2025年シーズン。二十歳の誓いとして「20勝」を目標に掲げた。

5日の中山8Rで今年初勝利を挙げた石田

 法律上の成人は18歳となったが、成人式を「二十歳の集い」とする地域も多く、日本では20歳を区切りとする考えは根強い。20日に晴れて20歳となった石田も「二十歳になるのはうれしいですね。大人になったなあという感じがして」とあどけない笑顔で実感する。人生の節目に迎える3年目のシーズン。目標として掲げたのは年齢と同じ勝利数だ。「昨年は10勝したかったが7勝でした。今年は20勝できれば」と力を込める。

 デビューした23年は未勝利に終わった。昨年4月6日、福島2Rロマンスライトで136戦目での初勝利。年間で7勝を挙げた。「1年目は一つも勝てなかったが、そこからは成長できたかなと思う。競馬に乗っている時、少し周りが見られるようになった」。確かな手応えをつかんでいるが努力は怠らない。「レースでは馬の100%の力を出してあげられるように、という意識で乗るようにしている。(調教の段階から)どういう競馬が、どういう戦法がこの馬にあってるのか考えている」。朝イチから丹念に調教に騎乗し、一頭一頭の馬としっかり向き合っている。

 ファンには“穴の石田”として存在感を示した。初勝利は7番人気で単勝55・7倍。以降は14番人気181・5倍、13番人気217・7倍、10番人気79・2倍と大穴Vが続いた。インパクトを与える白星を重ねたことで、徐々に環境の変化も実感。「周りからも凄いねと言われた。(単勝万馬券の)2勝目と3勝目あたりから(騎乗依頼が)増えてきた感じはありました」

 3勝目を挙げたのがちょうど6月最終週。その上半期終了時点までの騎乗数81(以下、地方は除く)に対し、下半期は2倍となる162鞍に騎乗した。それでも現状に満足はしていない。「人気馬に乗ることも増えてきた実感はありますが、乗り鞍がまだ少ない。もう少し鞍数を増やしたい」と意気込む。

 25年開幕日となった5日、中山8Rを2番人気のレオテミスで逃げ切り新年初勝利。二十歳のシーズンは幸先の良いスタートとなった。「(横山)武史さんや(佐々木)大輔先輩に並べるように。それぐらいの成績を挙げられるように頑張りたい」。関東を代表する若手トップジョッキーの背中を追って、石田は目標達成へと突き進む。

 ◇後藤 光志(ごとう・こうし)1995年(平7)12月8日生まれ、愛知県出身の29歳。中大文学部卒。20年スポニチ入社。昨年4月から競馬担当。