2024.11.22

スポニチアネックス

【ジャパンC】(13)ファンタスティックムーン ドイツ馬“ワンオペ”Vだ!

 ビッグタイトルは“ワンオペ”でつかみ取る。ジャパンCにドイツから参戦するファンタスティックムーン。同馬を管理するのは36歳の若き女性トレーナーであるサラ・シュタインベルク師。愛馬を連れて単身来日。14日の東京入り後、馬の身の回りの世話や調教に至るまで、全て一人でこなしている。「私の厩舎は小規模で、管理している馬は20頭ほど。何人かスタッフを同行させてしまうと厩舎が回らなくなるので、日頃から遠征する時は1人のスタッフが行くことになっている」と説明する。

会見を終えたファンタスティックムーンのシュタインベルク師(左)は鞍上のピーヒュレクと笑顔で握手 (撮影・村上大輔)

 単身なのは愛馬も同じだ。「この馬は凄くしつけられていて、扱いにくいところがない。小柄ですが自分に自信を持っている。精神的にも非常に強いので帯同馬も必要ありません」と指揮官。レース当日はパドックでの引き馬も務める予定。ゲートが開く直前まで人馬一体で愛馬を支える。

 体調面も問題ない。ここまではダートコースで軽めの調整が続いているが、出国前のトレーニングでコンディションを整えてきた。来日後は状態をキープすることに注力。木曜朝にはデビューからコンビを組み続けるピーヒュレクがまたがり、ダートコースで感触を確認。「いい状態を保っている。体格もしっかりしてきて力強い馬になった」と満足顔だ。

 2走前にドイツで150年以上続く伝統のG1バーデン大賞を制覇。前走凱旋門賞は9着に敗れたが、重馬場で自慢の末脚を発揮できず。「ジャパンCは強豪馬がそろうが、ハイペースになるレース。末脚を発揮するにはプラスだと思う」と、あえて日本の高速馬場にターゲットを絞ってきた。昨年のドイツダービー馬。日本のドウデュース、英愛ダービーを制したオーギュストロダンとの日欧ダービー馬対決も楽しみだ。

 枠は外めの13番。「フレキシブルな馬なので希望の枠は特になかった」と師。95年ランド以来、29年ぶりのドイツ馬Vを目指す。