2024.10.18

スポニチアネックス

【菊花賞】50代騎手5人参戦!58歳の柴田善 デビュー40年目で最年長G1制覇狙う

 今年の菊花賞にはダノンデサイルで2冠制覇を狙う横山典弘(56)を筆頭に、柴田善臣(58)、武豊(55)、アンドレアシュ・シュタルケ(50)、岩田康誠(50)と50代のベテラン騎手5人が参戦するのも見どころの一つ。現役最年長の柴田善は3連勝中の上がり馬ピースワンデュックで7年ぶりの菊花賞騎乗。久々のG1制覇へ熟練の手綱さばきを披露する。

ピースワンデュックと柴田善

 柴田善のG1騎乗は21年ジャパンCのムイトオブリガード(16着)以来3年ぶり、菊花賞は17年のブレスジャーニー(12着)以来7年ぶり。デビュー40年目の大ベテランは「もう忘れちゃったよ」と、とぼけてみせたが、そこは競馬界の“生ける伝説”。デビューから全4戦で手綱を取ったピースワンデュックと泰然自若。今年のダービーをダノンデサイルで制した横山典の記録(56歳3カ月4日)を更新するJRA・G1最年長勝利へ、無心で挑む。

 相棒ピースワンデュックは2戦目から3連勝の上がり馬。前走の阿賀野川特別はルメール騎乗の1番人気バッデレイトとの接戦をハナ差で制し、クラシック最後の1冠へ名乗りを上げた。目を見張るのは強じんなスタミナ。1週前、最終追いと強めに追って上々のパフォーマンスを披露した。「反応もいいし、上がりの息も乱れない。凄いよね、この馬は」と大絶賛。「大味な感じだったのが、それにプラス切れ味がついた感じ。(併せた)他の馬の息は聞こえたのに、(この馬の)息は聞こえない。こいつ息していないんじゃないかなって(笑い)。スタミナは問題ない。うまくコントロールして3000メートルを走らせたい」とイメージを膨らませた。

 40年のキャリアでクラシック戴冠とは無縁だが、97年菊花賞では7番人気ダイワオーシュウを2着に導いた。全馬未知の距離で、やはりものを言うのはベテランの手腕。柴田善はこう語る。「馬の癖をいかにつかむかが大事。自分は数を乗っていることもあるし、ホクトヘリオスとか、どうにもならない、人を落とすような馬からも経験を積ませてもらった。ベテランになれば馬の上で邪魔をしなくなるんじゃないかな。それは距離が長くなればなるほど大切になってくる。こっちが変に気負ったりすると、馬に伝わって走りのバランスが悪くなったりするから」。馬を制御することを超越した究極の“自然体”騎乗。まさに人馬一体となって、ラスト1冠のゴールを目指す。

 《ダノンデサイルの横山典「底力に期待」》ダービー馬ダノンデサイルに騎乗する横山典弘はセイウンスカイとのコンビで制した1998年以来26年ぶり2回目の菊花賞制覇を狙う。50代のジョッキーがそろったことについて「善臣さんと豊君と、50オーバーの人が乗って周りが盛り上がってくれるのはうれしいこと。デサイルの底力に期待して頑張ってもらいたいと思う。僕も頑張ります」と意気込んだ。

 《アドマイヤテラの武豊「チャンスある」》菊花賞6勝目を狙う武豊はアドマイヤテラとの初コンビ。「テン乗りになるけどチャンスがある馬だと思う」と意気込む。ベテランジョッキーの参戦には「“初老ジャパン”やね(笑い)。菊花賞は馬にとって初めての距離を走るし、騎手の駆け引きもある。乗っていて面白いよ」と笑顔を見せた。 

 《シュタルケ菊初参戦、岩田康20年ぶりVへ》短期免許で来日中のアンドレアシュ・シュタルケ(ドイツ)はビザンチンドリームとのコンビで菊花賞に初参戦。この日、最終追いで感触を確かめた鞍上は「長距離なので折り合いが鍵になるが心配はない。初めてコンタクトを取って、この馬が大好きになりました」と笑顔を見せた。また岩田康誠はエコロヴァルツに騎乗。04年デルタブルース以来の菊花賞制覇を狙う。