2024.10.06

スポニチアネックス

【サウジアラビアRC】アルテヴェローチェ異次元V!大外から豪快差しで新星爆誕

 ニュースター誕生の予感だ。好メンバーが集まった2歳G3「第10回サウジアラビアロイヤルC」が5日、東京競馬場で行われ、2番人気アルテヴェローチェが大外から豪快差し切りV。新馬から無敗連勝で初タイトルを手にした。鞍上の佐々木大輔(20)は函館2歳S、札幌2歳Sに続き2歳重賞騎乗機会3連勝となった。

<サウジアラビアRC>レースを制したアルテヴェローチェ。左は5着に敗れたアルレッキーノ(撮影・郡司 修)

 2歳馬とは思えない異次元の末脚。雨が降っていることさえ忘れるアルテヴェローチェの衝撃Vに、いつもは冷静な佐々木も右拳を強く握り喜びをかみしめた。「スーパーホースです!」。脱鞍所で待っていた須貝師と喜色満面で握手をかわした。

 圧巻の勝ちっぷりだった。最内枠から好スタートを切っていったんはもまれる形。それでも鞍上に焦りはない。「“引っ張ったらもったいないかな”とも思ったけど、先頭集団で力ませ続けるより折り合いに専念しようと」。思惑通りリズム良く追走。直線入り口では手応え抜群だ。大外から1完歩ずつ前との距離を詰め、豪快に差し切った。勝ち時計はレースレコードに0秒3迫る1分33秒0。見た目、内容ともにパーフェクトだった。

 佐々木は栗東に駆けつけ3週前、1週前追いに騎乗した。テン乗りでも不安はなかった。「厚みがあっていい馬だと感じていました。馬の力を信じて乗りました」。須貝師は「想定外のレースになったけど、続けて調教に乗ってくれていたので馬のことを分かってくれていた。しっかり決めてくれたね。大したもんやわ」と人馬に賛辞を送った。

 次戦は朝日杯FS(12月15日、京都)を予定している。「大きな舞台でもやってくれそう」と佐々木が絶賛する逸材。淀でも度肝を抜くパフォーマンスを見せてくれるに違いない。

 ◆アルテヴェローチェ 父モーリス 母クルミネイト(母の父ディープインパクト)22年2月6日生まれ 牡2歳 栗東・須貝厩舎所属 馬主・大野照旺氏 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績2戦2勝(重賞初勝利) 総獲得賞金4045万2000円 馬名の意味はイタリア語で芸術(アルテ)+冠名。