2024.09.13

スポニチアネックス

ゴールデンホーンが示した凱旋門賞Vへの道

 【競馬人生劇場・平松さとし】

15年の愛チャンピオンSを勝利した直後のゴールデンホーン(撮影・平松さとし)

 14日にアイルランドのレパーズタウン競馬場でアイリッシュチャンピオンSが行われる。日本からシンエンペラーが挑戦。19年ディアドラ以来、日本馬として史上2頭目の出走で優勝を目指す。

 私は何回か現地で観戦している。中でも印象に残っているのが15年。19年マジカルから昨年オーギュストロダンまで現在5年連続でこの大一番を勝っている地元の伯楽エイダン・オブライエン調教師は15年もファウンド、ハイランドリールと有力馬2頭を送り込んでいた。前者は翌16年の凱旋門賞などを優勝。後者はその凱旋門賞で2着からブリーダーズCターフを勝つなど、世界中で数々のG1を制した名馬だった。

 しかし、このレースを勝利したのはゴールデンホーン。管理するのはイギリスのJ・ゴスデン調教師で騎乗したのがデットーリ騎手。すぐ後にエネイブルで凱旋門賞連覇(17、18年)など、世界中の競馬界を席巻したタッグだった。当時、デットーリ騎手は言っていた。

 「ダービーを勝った時も強いと感じたけど、今日の勝利で確信した。このまま順調に行けば凱旋門賞を勝っても何もおかしくないだろうって…」

 この言葉はすぐに実証される。10月の第1日曜日、場所をフランスに替えてもゴールデンホーンは強かった。凱旋門賞連覇中のトレヴらを相手に見事、優勝してみせたのだ。ゴールデンホーンに限らず、近年では愛チャンピオンSから凱旋門賞へ挑み、好走するケースが増えている。20年の凱旋門賞を制したソットサスも直前にこのチャンピオンSを走っていた(4着)。シンエンペラーはソットサスの全弟だ。そして何よりも世界中を舞台に幾度もアッと言わせ続けてくれる矢作調教師の管理馬だ。エコノミクスやオブライエン勢など強敵ぞろいではあるが、次走の凱旋門賞も含めて期待しつつ、応援したい。 (フリーライター)