2024.09.12

スポニチアネックス

【セントライト記念】コスモキュランダ上昇カーブ!Wコース併せ馬でラスト1F11秒8

 今週は変則3日間開催。秋のさらなる飛躍を期し、実績馬が始動戦を迎える。月曜に行われる菊花賞トライアル「第78回セントライト記念」の最終追いはコスモキュランダに注目。皐月賞2着馬が着実な上昇カーブを描いた。中京開催の秋華賞トライアル「第42回ローズS」組では、レガレイラがキャリア初の牝馬限定戦に向けてしっかり態勢を整えた。

併せ馬で追い切るコスモキュランダ(左)(撮影・郡司修)

 緩やかに、伸びやかに。コスモキュランダが長い胴をダイナミックにしならせてWコースを駆け抜けた。1馬身先行した僚馬エメリヨン(4歳1勝クラス)に直線半ばで並びかけ、終始馬なりで併入。5F69秒4~1F11秒8は、いっぱいに追われた1週前(5F66秒5)に比べて地味な時計だが、加藤士師は「筋肉痛などが見られたので疲れを残さないように。いい調教ができた」と計画通りの調整過程に満足げだ。

 皐月賞2着の余勢を駆って挑んだダービーは6着敗退。指揮官は「スタートで少し遅れて位置が後ろに。向正面から捲って最後まで頑張っているので改めて力のある馬だと感じた」と振り返る。大一番直前に走行姿勢が低くなり、回転数が上がった走法に変化。夏休みを経て、皐月賞当時の伸びやかな本来のフォームに戻ったという。「ゆったり走っているように見えるけど時計が出る。個人的にはこっちの方がいいのかな、いい方向に向いているのかなと思っている」と分析する。

 中山芝は超高速馬場が継続濃厚で、レコード(当時)決着にタイム差なしだった皐月賞の経験が生きてくる。「結果を残しているコースなので自分としては期待している。坂でギュッと伸びるので急坂がある中山はプラス。力があるので時計勝負にも対応できると思う」。17年に圧倒的1番人気で2着に敗れた父アルアインの雪辱戦でもある。

 加藤士厩舎は今年17勝を挙げ、早くもキャリアハイ(20、23年=19勝)を上回る勢い。先週の紫苑Sではクリスマスパレードも重賞ウイナーの仲間入りを果たし、「皆のモチベーションも上がっている」と厩舎の士気は最高潮。「精神的に追い込まれるとピリついて立ち上がったりしていたが、今のところはそういうこともない。思った通りに順調に調整できたので、あとはレースで頑張ってくれれば」。今週はエースの番だ。 

 《先輩コスモバルク以来の皐月2着馬Vへ》皐月賞2着馬は08年タケミカヅチ(9着)、11年サダムパテック(3着)、14年トゥザワールド(2着)、21年タイトルホルダー(13着)と4連敗中。コスモキュランダが勝てば、48年キヨマサ、56年キタノオー、63年グレートヨルカ、04年コスモバルク以来20年ぶり5頭目の優勝となる。コスモ軍団の偉大な先達に続けるか。