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2024.09.09

スポニチアネックス

【京成杯AH】39年ぶり3歳牝馬V!アスコリピチェーノ古馬を一蹴 見せつけた“女王”の底力

 強い2歳女王が帰ってきた。サマーマイルシリーズ最終戦「第69回京成杯AH」が8日、中山競馬場で行われ、1番人気アスコリピチェーノが圧巻の走りでV。85年エルプス以来39年ぶりとなる3歳牝馬優勝を成し遂げた。2着に敗れた桜花賞、NHKマイルCのうっぷんを見事に晴らし、次走予定のオーストラリア超高額賞金レース「ゴールデンイーグル」に弾みをつけた。中京のサマースプリントシリーズ最終戦「第38回セントウルS」はトウシンマカオが差し切り、重賞4勝目を飾った。

<中山11R・京成杯AH>レースを制したアスコリピチェーノの(左から3頭目)(撮影・村上 大輔)

 恐怖すら覚える強さ。重いハンデ、休み明け、高速馬場、初の中山、初の古馬混合戦…。アスコリピチェーノは幾多の困難をあっさりはねのけてみせた。「安全に乗ってこのパフォーマンス。マイルではトップレベルだね。またG1を勝てるよ」。幾多の名馬の背中を知るルメールも、あまりの勝ちっぷりに興奮を抑えられなかった。

 この日は開幕週ということもあって芝は前残り傾向。その状況下で道中は中段待機。絶望的とも言える位置取りでも鞍上に焦りは一切なかった。「一番強い馬だし、いい瞬発力があるのは分かっていたからね」。外々を回って徐々に位置を上げて、4角では楽な手応えのまま射程圏8番手。直線入り口でエンジンがかかると、初の急坂も苦にせず鋭伸。残り150メートルで早くも先頭に立ち、ゴール前は手綱を緩める余裕すらあった。それでいて時計は1分30秒8。内容、結果ともに完璧だった。

 2歳時に新馬戦、新潟2歳S、阪神JFと無傷の3連勝。無類の強さを誇っていたアスコリピチェーノだったが、今春の桜花賞、NHKマイルCはともに1番人気ながら2着と苦しんだ。“背水の陣”でつかんだ9カ月ぶりの美酒。黒岩師は「経験の浅い3歳牝馬にとっては難しい条件が重なっていたけど克服してくれたし、いい時計で走ってくれた。まずは結果を出さないといけないと思っていたので良かったです」と胸をなで下ろした。

 視界は世界へ――。次走は昨年オオバンブルマイが制し賞金5億円を獲得したオーストラリアのゴールデンイーグル(11月2日、ローズヒルガーデンズ)を予定している。底知れぬ力を発揮した2歳女王。異国の地でもあっと驚く走りを見せてくれるに違いない。

 ◇アスコリピチェーノ 父ダイワメジャー 母アスコルティ(母の父デインヒルダンサー)21年2月24日生まれ 牝3歳 美浦・黒岩厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績6戦4勝(重賞3勝目) 総獲得賞金2億6321万5000円。馬名はイタリアの都市名。