2024.09.02

スポニチアネックス

【新潟記念】シンリョクカ 新馬戦以来待望の2勝目 竹内師&木幡初も初の重賞初制覇

 夏の終わりに師弟で思い出をつくった。サマー2000シリーズ最終戦「第60回新潟記念」が1日、新潟競馬場で行われた。8番人気シンリョクカが重賞初制覇。鞍上の木幡初也(29)は師匠の管理馬でうれしい重賞初勝利。竹内正洋師(45)も重賞初勝利となり、ダブルの喜びに沸いた。また、中京競馬場で行われた「第44回小倉2歳S」は1番人気エイシンワンドが新馬戦から連勝で重賞Vを飾った。

<新潟記念>接戦を制したシンリョクカ(右端)が初タイトルを獲得(撮影・郡司 修)

 直線残り300メートル地点で先頭に躍り出ると、木幡初が渾身(こんしん)のステッキを一発注入する。気合が入ったシンリョクカは持ち味のしぶとさを存分に発揮。セレシオンが外から針の穴を通すように鋭く強襲してきても、鼻差退けた。新馬戦以来の2勝目は、キャリア11年目の木幡初にとってうれしい重賞初制覇。「馬の力を信じて頑張るだけでした。最後の最後まで気を抜けずに頑張ってくれという思いだった」。師匠の竹内師にとっても初のタイトル獲得となった。

 人馬は落ち着いていた。レース直前、人気を背負ったライトバックが放馬するアクシデント。発走が遅れたが、動じることはなかった。シンリョクカは好スタートを決めた。戦前の予想通りアリスヴェリテが果敢に前へ。2番手の絶好ポジションを確保することができた。木幡初は「いいところでリズムよく走れた」と回顧。アリスヴェリテがつくった前半1000メートルは58秒9のハイペース。先頭までは約4馬身。「前半の温存があった分、最後まで信じて押し切ることができました」と振り返った。

 22年阪神JFでは女王リバティアイランドに迫って2着があった実績馬。「負けん気があるし、狭いところやタフな馬場もめげずに走ってくれる」と鞍上は一生懸命なところをストロングポイントに挙げる。その後もシンリョクカの力を信じた。夏競馬のフィナーレに最高の形で結実した。

 前走の福島牝馬Sでは前の馬に触れて転倒。キ甲の軽度の骨折もあり、4カ月半ぶりの実戦だった。竹内師は「落ち着きが気性の成長になっていた。一発目で答えを出してくれたね」と愛馬を褒め称えた。そして「問題なければエリザベス女王杯(11月10日、京都)へ」と昨年9着のリベンジに燃える。骨っぽい牡馬たちを撃破した負けん気を持って、G1タイトルを獲りにいく。

 ◆シンリョクカ 父サトノダイヤモンド 母レイカーラ(母の父キングカメハメハ)20年1月24日生まれ 牝4歳 美浦・竹内厩舎所属 馬主・由井健太郎氏 生産者・北海道日高町の下河辺牧場 戦績10戦2勝(重賞初制覇) 総獲得賞金1億138万8000円 馬名の由来は心力歌。