2024.08.16

スポニチアネックス

岩田望“いつか海外に”ルメールがつないでくれた仏競馬

 先週はイギリスのアスコット競馬場でシャーガーカップが行われた。日本からは藤田菜七子騎手が選出されたので、応援しに渡英。その後、フランスに渡り、ドーヴィルで岩田望来騎手、シャンティイでは田口貫太騎手と再会した。

11日にジャックルマロワ賞を観戦するためドーヴィル競馬場で顔を合わせた岩田望来騎手と田口貫太騎手(撮影・平松 さとし)

 ドーヴィル競馬場でかの地の名門厩舎J・C・ルジェ厩舎の調教に騎乗しているのが岩田望騎手だ。

 「僕がまだ幼少時に、父(岩田康誠騎手)がディープブリランテに乗ってイギリスのキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1)に挑戦しました。これを現地で観戦させてもらってから“自分が騎手になったらいつか海外へ行ってみたい”という気持ちを抱くようになりました」

 そんな思いを耳にしたクリストフ・ルメール騎手が、ルジェ厩舎を紹介してくれた。そうして臨んだフランス競馬。現地時間8日にはサンマロ競馬場で騎乗。かの地で開業する小林智調教師が管理するメイショウボヌールで、見事に1着。今回の遠征での初勝利をマークしてみせた。

 一方、昨年の新人賞を受賞した田口貫太騎手は次のように語る。

 「デビューした時点で、2年目には海外へ行きたいと考えていました」

 帰国後も減量の特典があるうちに海を越えて勉強したいと考えていたそうだ。そんな時、先輩である岩田望騎手のフランス遠征を耳にした。そこで自分も渡仏を決心。共通の知人である調教助手を介し、小林智調教師を紹介してもらい、現地入りした。

 「馬の従順さに驚いたし、森の中の調教コースも衝撃的でした」

 田口騎手も岩田望騎手同様、現地での競馬にも騎乗した。「勝てなかったけど、日本と違う流れで勉強になりました」と言った。

 現地時間15日には2人そろってヴィシー競馬場のレースに参戦。田口騎手は第4Rの芝2400メートル戦でアドレッテ(清水裕夫厩舎)、岩田望騎手は第6Rの芝1600メートル戦でビューティーブラン(小林智厩舎)の手綱を取る。この活字が世に出る頃には結果が出ているが、果たして朗報となることを期待したい。 (フリーライター)