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2024.08.02

スポニチアネックス

【エルムS】永野猛蔵 オープン初V&JRA100勝のナチュラルハイと重賞初制覇だ「この馬とできれば」

 夏は若手騎手にとって飛躍のシーズン。札幌日曜メインで北海道シリーズ唯一のダート重賞「第29回エルムS」で、デビュー4年目の永野猛蔵(21)が重賞初制覇を狙う。コンビを組むナチュラルハイは前走マリーンSでオープン初V&JRA100勝を飾ったメモリアルホース。

ナチュラルハイと重賞初制覇に挑む永野(撮影・田井秀一)

 伸び盛りの若武者が北の大地で躍動している。4年目を迎えた永野。ファンからタケゾー(猛蔵)の愛称で親しまれる21歳は今夏北海道シリーズ初参戦。函館開催で計9勝を挙げ、函館2歳Sでは8番人気ニシノラヴァンダで惜しい2着と見せ場をつくった。「プライベートを含めて初めて来た」という札幌でも連日、10頭近くの調教を付けるなど精力的に競馬に打ち込む。

 付きっきりで調整を担当しているお手馬の1頭がエルムSに出走するナチュラルハイ。22年7月の新馬戦(福島)で初陣Vに導いた。「当時は芝でしたが、砂の方がいい印象を受けたので“ダートで控える競馬を覚えれば”と先生にも提案させていただきました」。予見通りにダート路線で出世し、前走マリーンSで人馬ともにオープン初勝利。自身のJRA通算100勝も重なった。「やはり思い入れがありますね。重賞初勝利もこの馬とできれば一番うれしい」と相棒とのタイトル奪取を熱望する。

 大沼S(2着)→マリーンSに続く北海道シリーズ3戦目。「どうしても硬くなりやすい馬」のため、フラットワークを入念に行うなど工夫を凝らしている。前走マリーンS組は間隔が詰まるため難しい調整を強いられるが、意外にもエルムSは昨年まで6年連続V。労苦の先にはご褒美がきっと待っている。「毎日乗っていれば変化も分かりやすいですから」と人馬一体で中3週を歩んだ。

 永野は札幌開催で2週連続勝利中。勝ち鞍はともにダート1700メートル。9、7番人気の伏兵と波乱を演出した。「札幌は乗りやすいですし、コースの特徴をつかめている感じもあります。ナチュラルハイは立ち回りが上手なので」と謙虚な口から自信もチラリ。同期の永島(マーメイドS)、1期下の佐々木(函館2歳S)と同世代が次々と初タイトルを獲得した今夏。タケゾーも風に乗る。 (田井 秀一)

《美浦に戻ってロジリオンの関屋記念1週前追い》永野はこの日、滞在先の札幌から美浦に戻り、11日の関屋記念で新コンビを組むNHKマイルC3着ロジリオン(牡3=古賀)の1週前追いに騎乗した。Wコースで先行2頭を目標に、馬なりで5F68秒0~1F11秒5。永野は「凄く乗りやすい。競馬では前進気勢が強くなると聞いていたが、追い切りはコントロールが利き、しまいはスーッと反応してくれました」と手応え。今週は札幌、次週は地元新潟で重賞Vチャンス。「2週続けて重賞でいい馬に乗せていただくので頑張ります」と力を込めた。

 ◇永野 猛蔵(ながの・たけぞう)2002年(平14)9月8日生まれ、新潟県出身の21歳。父・猛史さんが宮本武蔵のファンで、一字を取って名付けられた。美浦・伊藤圭厩舎所属で21年にデビューし、同年3月6日の中山3R(タマモヒップホップ)で初騎乗初勝利。JRA通算2371戦104勝。1メートル61、45キロ。