2024.07.26

スポニチアネックス

【アイビスSD】音無師 モズメイメイで“最後の夏”にもうひと花

 来年2月に定年を迎える音無師がラストサマーに快速娘を送り出す。モズメイメイは3歳時に重賞2勝。その後は鳴りを潜めていたが、前走の北九州記念で3着と復調の兆し。道中脚をためるレースで進展を見せた。重賞2勝は、ともに逃げ切り。「控えて差す競馬をしてくれたのは収穫」と戦法の幅が広がったとして言葉を継いだ。「直線1000メートルを使うことを踏まえて使った。もう一度同じようなレースをしてくれれば」と手応えを感じていた。

重賞3勝目を狙うモズメイメイ

 調教でも試行錯誤を重ねる。トレーナーは「今まで(調教を)メイチにやり過ぎていたのが良くなかったのかな。前回と同じようにそんなにやり過ぎないようにした」と話す。1200メートルでの重賞Vがありスピードは証明済み。普段稽古を付ける生野助手は「元々、神経質なところがあって今まではずっとスイッチが入った状態だったけど、最近は落ち着いてきました。スイッチのオン、オフができるようになってきましたね」と調教の工夫に加えて、精神面での成長も復調の要因だ。ラストサマーについては「最後の夏になるので、いい思い出を残してもらいたい。何とか勝たせたいね」と力を込めた。

 音無厩舎は07年に5歳牝馬サンアディユでこのレースを勝っている。13番人気で高配を演出した。モズメイメイはここに照準を定めて、臨戦態勢を整えた。JRA重賞87勝の名伯楽が最後の夏に一輪の花を輝かせる。