2024.07.25

スポニチアネックス

【アイビスSD】チェイスザドリーム仕上がり万全!夏の快速女王に名乗り

 今週は新潟競馬が開幕。当地の千直名物レースである「第24回アイビスSD」(サマースプリントシリーズ第3戦)の追い切りが24日、東西トレセンで行われた。快速自慢が集う中、栗東坂路で軽快な動きを披露したチェイスザドリームが主役に名乗り出る。デビュー以降はダートで活躍してきたが、前走の韋駄天Sを制して新境地を開いた。類いまれなスピードは、重賞の舞台でも輝きを増す。

坂路を単走で追い切るチェイスザドリーム

 砂で磨いた地力が、千直の舞台で輝きを増している。昨年のカペラSで連対経験もあるチェイスザドリームは前走韋駄天Sに出走。初の芝、直線1000メートルも、軽く促して2番手を確保すると、スピード能力の高さを示して押し切り、新境地を開いた。

 最終追い切りは坂路単走馬なりで4F53秒7~1F12秒5。時計自体は目立たなかったが、1週前には坂井を背に坂路馬なりで4F49秒1の猛時計を記録するほどで、活気に満ちあふれている。稽古をつけた荒木助手は「先週はしっかりやったので今週はサラッと。できるだけ体力を温存しておきたいので」と1週前に負荷をかけて馬体は仕上がり、万全の調整を施して夏の快速決戦を見据える。

 舞台に関しては「1200メートルでも甘くなるところがあるので、適性としては1000メートルがいい。爪に不安があったのでダートに落ち着いていたけど元々、芝の走りも悪くなかった」。陣営も千直の適性に太鼓判を押す。爪の不安要素が解消されて、芝の短距離で覚醒しつつある。

 激しい気性ゆえに、昨夏以降は徹底して1000~1200メートルを使われてきた。ただ、近況は変化も表れている。世話役の玉井助手は「以前はパドックからレースが始まっていました。テンションが上がって2人引きじゃないと対応できなかったほど。最近は丸くなってきた。フワッとした部分があったけど直線1000メートルでしまいの脚も悪くなかった。そういうところに気性面の変化が表れていますね」と成長を実感。

 冷静さが備わったことで一息入れて、ためるレースができるようになり、成績アップにつながった。仕上がりは万全。重賞でも非凡なスピードを発揮して夏の快速女王に名乗り出る。

 《特殊な舞台「新潟芝千直」が得意のロードカナロア産駒》アイビスSDはJRAで唯一、芝直線1000メートルの重賞。特殊な舞台だけに適性がものを言う。チェイスザドリームの父はロードカナロアで産駒は過去10年、千直で種牡馬別トップの14勝。同産駒ジョーカナチャンは20年当レースを制するなど、この舞台で3勝を挙げた。母ゴールドチェイスの父アドマイヤムーンは父として13年当レースを制したハクサンムーン、昨年2着トキメキを出している。チェイスザドリームは初芝の前走韋駄天Sで、いきなり1番人気に支持されたのも納得の配合。千直連勝へ、血の後押しがある。