2024.07.13

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フランスの名騎手モッセ引退へ…57歳、仏G1・54勝を含む1625勝「心から感謝したい」

 フランスの名騎手であるジェラルド・モッセ(57)が現役生活にピリオドを打つ。13日、地元フランスの競馬専門メディア「エキディア」が報じた。今年4月にステッキを置いたオリビエ・ペリエ(51)に続いて「また一人、レジェンドが引退する」としている。

ジェラルド・モッセ騎手(2017年撮影)

 1967年1月3日生まれ、フランスのマルセイユ出身。83年にパトリック・ビアンコーヌ厩舎の見習騎手になり、同年4月にデビュー。翌年、見習騎手チャンピオンに輝いた。

 88年、レスレスカラとのコンビで仏オークス優勝。93年シェマカ、97年ヴェレヴァ、98年ザインタ、99年ダリヤバを合わせ、仏オークス5勝の偉業を打ち立てた。90年にはソーマレズに騎乗し、凱旋門賞を制覇。94年セルティックアームズ、96年ラグマー、11年リライアブルマンで仏ダービーを3勝するなど「キャリア41年、フランスでG1・54勝を含む1625勝を誇る」と紹介されている。

 91/92年シーズンは香港で騎乗するなど海外の経験も豊富で香港国際競走は4鞍全てを制し、香港ダービー3勝。英国やイタリア、オーストラリア、カナダ、ドイツでもG1勝ちの実績がある。

 ワールドスーパージョッキーズシリーズや安田記念、ジャパンカップなどJRAでも騎乗し、28戦で勝ち鞍こそないが13年天皇賞・春は6番人気の英国馬レッドカドーとのコンビで3着に入った。

 今年フランスで9勝(114戦)をマーク。13日はパリロンシャンのパリ大賞(G1、芝2400メートル、日本時間14日午前3時17分発走)でサガンティ(牡3=M・デルザングル)に騎乗し、14日のシャンティイのハンデ戦がラストライドとなる。

 英競馬メディア「アットザレーシズ」の取材にモッセは「私の長いキャリアの中で、国際的な騎手になるチャンスに恵まれました。何よりも、私は幸運にも素晴らしい人たちと出会い、肩を並べることができました。彼らがいなければ、子供の頃の夢をかなえることはできなかったでしょう。オーナーや調教師、ブリーダー、エージェント、マネジャー、騎手、厩舎や競馬場のスタッフ、ファンの皆さんら私のレーシングファミリーに心から感謝したいと思います」とコメント。引退後は調教師に転身する方向で「私は今、熱意と決意を持ってキャリアの第2幕に近づいています」と先を見据えた。