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2025.04.21

スポニチアネックス

【皐月賞】またまたモレイラだ!ミュージアムマイルがレースレコードV 断然人気の2歳王者クロワ撃破

 3歳クラシック第1冠「第85回皐月賞」が20日、中山競馬場で行われ、3番人気ミュージアムマイルが中団から差し切ってG1初制覇。勝ち時計1分57秒0で24年ジャスティンミラノのレースレコードを0秒1更新し、2歳王者クロワデュノールを撃破した。鞍上のジョアン・モレイラ(41)は、19年クリストフ・ルメール以来史上6人目の桜花賞→皐月賞連覇を達成。管理する高柳大輔調教師(47)は24年ヴィクトリアマイル(テンハッピーローズ)以来となるJRA・G1・3勝目、クラシックは初勝利となった。

<中山11R・皐月賞>レースを制したミュージアムマイル。右は2着・北村友騎乗のクロワデュノール(撮影・河野 光希)

 マジックマンに導かれ、ミュージアムマイルが春の中山ターフを切り裂いた。まずは1冠。大観衆の歓声を背に引き揚げた鞍上モレイラは、興奮気味にステッキを通訳のアダム・ハリガン氏に放り投げて喜びを表現した。桜花賞に続く2週連続のクラシック制覇。「本当に特別な2週間になりました。自分の夢の中でもなかなかならないような結果を出すことができたので非常にハッピーです」と笑みを浮かべた。

 朝日杯FS2着、前哨戦の弥生賞ディープ記念は1番人気4着。決して順風満帆ではなかった。この日も課題のゲートは出たものの道中は試練続き。向正面でファウストラーゼンが動き馬群が凝縮すると、他馬と接触し挙動を乱した。それでも耐えに耐えて4角へ。外を回してグンと加速し、坂を乗り越えると残り150メートルで先に抜け出したクロワデュノールをパスした。栄光のゴールへ。高柳大師は「前走(弥生賞)伸びなかったという心配があったのでドキドキ。坂を上がったあたりで伸びが違ったので、あとは信じるしかないと思って見ていました」。予想をいい意味で裏切る成長、切れを披露した愛馬を褒めちぎった。

 短期騎手免許で来日中のモレイラは今春、G1騎乗機会4戦3勝を含む重賞5勝(大井・東京スプリント含む)の固め打ち。ただ、この日は「素晴らしい瞬発力プラス勝ちたいという強い気持ちで勝利をつかむことができた」と勝ち馬を絶賛した。免許期間は28日まで。続く香港で騎乗後、申請すれば残り1カ月分の短期免許を取得可能でダービー参戦の可能性はゼロではない。それでもスケジュール調整などクリアすべき障壁も多く「乗りたいは乗りたい」と話すにとどめた。

 クラシック初Vとなった指揮官は「うれしい限り」と改めて身が引き締まった面持ち。2冠への意欲を問われ「(次走はダービーと)言い切れはしないけど目標ではあります」としつつ、「距離は幅広く使っていけると思う。全体的なポテンシャルは高いので、ゲートさえ出てくれれば最後はいい脚を使ってくれる」と胸を張った。モレイラをして「素晴らしいより特別な馬になるかも」と言わしめたミュージアムマイル。馬名の由来はニューヨーク、マンハッタンの5番街にある通り。誰にも文句を言わせることなく、世代の王道を突き進む。

 ◆ミュージアムマイル 父リオンディーズ 母ミュージアムヒル(母の父ハーツクライ)22年1月10日生まれ 牡3歳 栗東・高柳大厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績6戦3勝(重賞初勝利) 総獲得賞金2億8257万9000円 馬名の由来はニューヨーク、マンハッタンの5番街にある通り。