2021.08.23

ハーツクライ最終世代産駒となるクイーンズアドヴァイス21

 南米の競馬強国アルゼンチン(亜)で生産されたクイーンズアドヴァイスは、母クイーンズベンチが亜G2カルロスカサーレス賞を制し、亜G1エストレラジュニアスプリントで2着したトップホース、祖母ケリヤマラダも亜G3ベネスエラ賞の勝ち馬という、名門母系の出身者です。自身も、圧倒的なスピード能力を武器に、芝1000mで争われる亜G3オクレンシア賞を含む、計6勝をマークする活躍を示しました。

 現役引退後、繁殖牝馬として日本に導入。これまでに大種牡馬ディープインパクトを父に持つ、当クラブ所属の2歳牡馬レッドランメルトらを出産しています。そして、父に日本競馬史に名を残す超一流種牡馬ハーツクライを得て誕生した、第4仔となる牡駒が、クイーンズアドヴァイス21ということになります。

 ドゥラメンテを付けたものの受胎せず、今シーズンは空胎となっているクイーンアドヴァイスですが、繫養されている白老・社台牧場からは、とても厚い信頼が寄せられています。
「現2歳のレッドランメルトもそうでしたが、穏やかで素直な自身の性格を、そのまま産駒に伝えています。面倒見も良いですし、本当に優秀な繁殖牝馬です。再来年以降も、素晴らしい仔供たちを出してくれると確信しています(社台牧場担当スタッフ)」

 温かさと厳しさを併せ持ちながら、子育てに勤しむクイーンズアドヴァイス。母馬としての真価を発揮するのは、まさにこれからです。


 2021年1月22日に白老・社台牧場で誕生した牡駒クイーンズアドヴァイス21は、21世紀前半の日本馬産界をリードしてきた名種牡馬ハーツクライ最終世代産駒の一頭。父と同じ鹿毛馬で、体高があり、胴伸びが良い点も、ハーツクライ産駒の特徴を、色濃く受け継いでいます。

 現在は、夜間放牧中で、鹿を追いかけたり、仲間と相撲を取ったりと、活発な面も見せています。また、1月生まれということもあり、社台牧場の同期生たちのなかで、リーダー的役割を果たしています。

「早生まれということもあり、牧場の同期生のなかでも一際目立つ、逞しい姿をしています。生後半年が過ぎ、逆立っていた毛が降りてくるなど、大人っぽい雰囲気も出てきました。骨格の良さ、しっかりとした歩きもセールスポイント。父ハーツクライの貴重な最終世代の一頭ですし、期待を抱きながら、このまま順調に成長してくれることを願っています(社台牧場担当スタッフ)」

 整った顔立ちから、賢さと気持ちの強さを感じさせるクイーンズアドヴァイス21。「ハーツクライ晩年の最高傑作」と呼ばれるような、大活躍を示してくれるかもしれません。