2021.07.26

米G1馬ダンシングラグズと、名馬カーリンを父に得た牝駒

 前回、当コーナーで取り上げたボインビューティー同様、2020年に米ケンタッキー州で開催された“フェシグティプトン・ノヴェンバーセール”において東京サラブレッドクラブが購入した繁殖牝馬が、父ユニオンラグズ-母ホームコート(その父ストームキャット)という血統を持つ、2014年生まれの鹿毛馬ダンシングラグズ(Dancing Rags)です。

 米3冠レース最終戦となるG1ベルモントSの勝ち馬でありながら、2歳時にはG1シャンパンSを制するなど、仕上がりの早さも誇った父ユニオンラグズの血を色濃く受け継いだダンシングラグズは、2歳8月のデビュー戦を勝利。10月には、キーンランド競馬場D8.5Fコースを舞台とするG1アルキビアデスSに参戦し、後のG1アメリカンオークス馬ダディーズリルダーリンらを降し、鮮やかにG1ウイナーの仲間入りを果たします。

 現役引退後、米で繁殖生活に入り、2019年に父イントゥミスチーフの牝駒、2020年に父ウォーフロントの牝駒を出産。そして、日本導入後にノーザンファームで産んだ第3仔となる牝駒が、父に2007、2008年と2年連続米年度代表馬に選出され、種牡馬としても大きな成功を収めているカーリンを迎えた、ダンシングラグズ21です。ちなみに、今春、ダンシングラグズは、供用2年目となるG1日本ダービー馬レイデオロと交配、受胎することに成功しています。

 3月5日が誕生日となるダンシングラグズ21は、ミスタープロスペクター3×5、ノーザンダンサー5×5・5という、現代の根幹種牡馬のクロスが入る、魅力的な血統構成の持ち主。サンデーサイレンスの血を保持していないことから、競走馬としてだけでなく、繁殖に上がってからの期待も大きい、近未来のスター候補です。

「出生時体重は50キロ。脚長の綺麗な姿で生まれてきました。骨格がしっかりとしていること、胴伸びが良いことがセールスポイントで、歩きも力強さに充ちています。現在は、夜間放牧をおこなっていますが、元気いっぱいに日々を過ごしています。このまま順調に成長し、一流競走馬への道を歩んで欲しいです(ノーザンファームの担当スタッフ)」

 父カーリンを彷彿させる、美しい栗毛の馬体と、意思の強さが伺える眼差しが印象的なダンシングラグズ21。米2歳G1馬である母を超える、スケールの大きな活躍も望めそうです。