2021.07.21
米繁殖牝馬セールで購入したボインビューティーと2番仔
2020年11月8日に米ケンタッキー州で開催された“ファシグティプトン・ノヴェンバーセール”において、東京サラブレッドクラブが購入した繁殖牝馬の一頭が、父ジャイアンツコーズウェイ-母バブラー(その父ディストーティドヒューマー)という配合から生まれた、栗毛馬ボインビューティー(Boyne Beauty)です。“Boyne”はアイルランドに所在する地名。ちなみに父ジャイアンツコーズウェイ(Giant’s Causeway)も、北アイルランド地方に属する、世界遺産である石柱群が連なる地域から名付けられています。
2016年に米で生産され、レースには不出走だったボインビューティーですが、その血統は極めて魅力的です。ボインビューティーの3歳上の半兄となるのが、父にアンブライドルズソングを持つアロゲート。3歳8月のG1トラヴァーズSで後続に13馬身半差を付ける衝撃的な圧勝を飾ったアロゲートは、続くG1ブリーダーズCクラシックを快勝、文句なしで2016年米3歳牡馬チャンピオンに選出されると共に、この年の世界1位となる「134」のレーティングを獲得します。4歳となっても快進撃は続き、1月のG1ペガサスワールドC、3月のG1ドバイワールドCと、超高額賞金が懸かったビッグレース連覇を達成しました。
現在、エピファネイアの種をお腹に宿している、アロゲートの半妹ボインビューティーは、2020年春に、初仔となる父アンクルモーの牝駒を米で出産。そして、日本に輸入され、2021年2月27日にノーザンファームで誕生した、父がイントゥミスチーフに替わった2番仔となる牝駒が、ボインビューティー21です。
2019、2020年と2年連続で北米リーディングサイアーに輝く父イントゥミスチーフと同じ鹿毛馬であるボインビューティー21は、出生時62キロという、大柄な馬体の持ち主。額に入る流星が特徴となる、いかにも名血馬といった気品ある顔立ちも、目を引くものとなっています。
「現在は夜間放牧をおこなっていますが、極めて順調な成長曲線を描いています。トモの形状が素晴らしく、いかにもスピードがありそう。名馬アロゲートの姪でもあり、競走馬としてはもちろん、繁殖に上がってからの未来も、本当に楽しみです(ノーザンファーム担当スタッフ)」
種牡馬となったアロゲートは、残念ながら早逝してしまいましたが、競走馬となったボインビューティー21には、叔父さんの雄姿を重ね合わせることが可能な、圧倒的なまでのパフォーマンスを展開して欲しいところです。