2021.06.28

母になったレッドアヴァンセ

 デイリー杯2歳S、スワンSとG2重賞を2勝した初仔リディルを皮切りに、兄弟制覇となるG2デイリー杯2歳S、G3東京新聞杯など重賞5勝の強豪クラレント、当クラブ所属馬として走り、G2マイラーズC、G3関屋記念を制したレッドアリオン、G3京阪杯勝ちのサトノルパンと、相次いで4頭の重賞勝ち産駒を送り出したエリモピクシーは、2000年代後半から2010年代前半にかけての日本馬産界で輝いた、名繁殖牝馬の一頭です。
 そのエリモピクシーの第6仔となる牝駒が、父にディープインパクトを迎え、2013年にノーザンファームで誕生したレッドアヴァンセ。当クラブに所属し、競走馬デビューしたレッドアヴァンセは、3歳2月のOPエルフィンSを快勝し、G1桜花賞、G1オークス、G1秋華賞の牝馬3冠レース出走を果たします。着順こそ7着に終わりましたが、直線で息の長い末脚を駆使し、勝ったシンハライトから0秒4差でゴールしたG1オークスにおける走りは、レッドアヴァンセが誇る、高い能力の一端を示すものとなりました。
 成長力にも優れていたレッドアヴァンセは、5歳となり、充実期に入ります。4月のG2阪神牝馬Sで、4頭横一線の首位争いに加わり、勝ち馬からアタマ差の2着。続く、G1ヴィクトリアマイルでも、持ち味であるバテない末脚を活かし切り、勝利したジュールポレール、2着となった後の年度代表馬リスグラシューからハナ、クビ差の3着に健闘しました。
 優勝馬ステルヴィオから0秒3差で走り切った5歳11月のG1マイルCSをラストランとして、6歳春から生まれ故郷のノーザンファームで繁殖生活に入ったレッドアヴァンセは、2020年に父ロードカナロアの牡駒を出産します。そして、当クラブ1歳募集馬のラインアップにも加わったレッドアヴァンセ20に続いて誕生した牡駒が、再び父にトップ種牡馬ロードカナロアを得たレッドアヴァンセ21です。