2025.04.24
青葉賞 ペルーサ

今週末、青葉賞(GⅡ)が行われる。日本ダービー(GⅠ)と全く同じ舞台となる東京競馬場の芝2400メートルで行われるこの前哨戦を、2010年に制したのがペルーサ(美浦・藤沢和雄厩舎)だ。
伯楽・藤沢和雄調教師(引退)がペルーサを初めて見たのは生まれて何カ月も経っていない頃だったという。
「自分の厩舎にいたゼンノロブロイ産駒という事で、オーナーに推薦するのは少々、気がひけました」
当時、そう語っていた。それでも結果的に山本英俊オーナーがペルーサを1億円で競り落とした。
「責任を感じたけど、ペルーサもそれを分かってくれたのか、その後は実に順調でした」
だから2歳で入厩出来た。ところが……。
「思った以上にノンビリした感じでした」
気合いを乗せるために調教場所やメニューを変えてみたが、それでもペルーサに大きな変化は見られなかった。同じオーナーの馬で、当時ミッションモードやリリエンタールが同様の過程で入厩し、勝ち上がっていたが、そんな時もペルーサはまだデビューすら出来ていなかった。
「ところが、実戦に耐えられるよう調教の中身を濃くすると、良い動きを見せるようになりました」
多くの若駒はこのあたりで多かれ少なかれ反動が出るものだったが、ペルーサはどんな調教を課しても疲れを出さなかった。
こうして09年11月29日、東京競馬場の芝2000メートルでデビューさせるとこれを快勝。そればかりか年が明けてから自己条件、若葉Sと3連勝。こうして青葉賞に臨む事になった。
「勝ってはいたけど、スタートはモサモサしているし、ノンビリした性格なので小回りの中山は合わないと思いました。だから皐月賞ではなく、ダービーを目標に逆算して、そういう臨戦過程になりました」
3戦3勝で臨んだ青葉賞を、結果的にペルーサは勝利した。
「なかなか良い勝ち方をしてくれました。ただ、シンボリクリスエスやゼンノロブロイをしても、ダービーは勝てなかったので、次はまた一段と引き締めていかないと、そうそう簡単に勝てるレースではない事は、誰よりも身に染みて分かっています」
デビューから4連勝で挑んだ日本ダービーでは、皐月賞馬ヴィクトワールピサに次ぐ2番人気に支持された。しかし、残念ながら結果は6着に敗れるのだが、これはまた別のお話。いずれ機会を作って紹介しよう。
(撮影・文=平松さとし)
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