2024.06.17

宝塚記念と凱旋門賞

今週末、いよいよ宝塚記念(GⅠ)が行われる。
 例年、阪神競馬場が舞台となるこの春のグランプリ、今回は同競馬場が改修工事中という事で、京都競馬場で開催される。
 今年は東京サラブレッドクラブのルージュエヴァイユ(牝5歳、美浦・黒岩陽一厩舎)を始め13頭が登録しているが、その中でも注目を集めそうなのは、やはりドウデュース(牡5歳、栗東・友道康夫厩舎)だろう。
一昨年のダービー馬で、昨年は有馬記念(GⅠ)を優勝。今回、実に4年連続でのGⅠ制覇が懸かるわけだが、秋に噂されている凱旋門賞(GⅠ)への再挑戦を占う意味でも、今回の結果は気になるところだ。
 というのもこの宝塚記念と凱旋門賞は、意外と関連性が強い。日本馬がまだ勝った事のない欧州最高峰のレースだが、4回の2着の他に3位入線が1回ある。その内訳を見てみると、次の通り。

★1999年・エルコンドルパサー=2着
★2006年・ディープインパクト=3位入線(後に失格)
★2010年・ナカヤマフェスタ=2着
★2012年・オルフェーヴル=2着
★2013年・オルフェーヴル=2着

 4頭で5回、好走例があるわけだが、エルコンドルパサーを除くディープインパクト、ナカヤマフェスタ、オルフェーヴル全てに共通しているのが宝塚記念の覇者という点だ。
 宝塚記念は2200メートルであり、凱旋門賞は2400メートル。コースの起伏などは全く違うが、どちらも同じ右回りで距離が1ハロンしか違わないのだから、共鳴する部分があるのも、決して不思議な話ではないだろう。
 思えば昨年4着に追い上げたスルーセブンシーズは、宝塚記念を勝ってこそいないもののイクイノックスのクビ差2着に善戦していた。当時の世界最強馬といわれたイクイノックスを相手に、それほどの勝負をしていたのである。
 ちなみにスルーセブンシーズはGⅠ未勝利で海を越えたわけだが、同じようにGⅠ勝ちがないのに凱旋門賞に挑んだ日本馬というのは、スルーセブンシーズ以前に延べ6頭がいたが、結果は17、16、17、14、18、14着。当然だが“絶対的な能力というのが必要”といえる結果で、惨敗続きだった。
これを考慮すると、スルーセブンシーズの4着というのは大善戦であり、宝塚記念との繋がりの強さを改めて感じさせる結果と言えた。
 さて、今年の宝塚記念も秋の凱旋門賞に向けて期待を抱かせてくれるような結果が待っているだろうか。そんな視点で見てみるのも面白いだろう。
(撮影・文=平松さとし)

※無料コンテンツにつきクラブには拘らない記事となっております。