2022.07.11
セレクトセール開幕!
ディープインパクトやキングカメハメハのいないセレクトセールが始まりました。海図なしに大海原に航海に出るような一抹の不安がないわけじゃないでしょうが、オーナーさんたちの競馬に寄せる愛情と懸ける情熱はますます盛んで、順調にセリが進んでいます。昼過ぎの時点で、まだ3分の1程度が終わった段階ですが、母モシーンのモーリス牡駒の4億5000万円(税抜、以下同じ)を筆頭に、10頭を軽く突破する“億台”超えの高額馬が次々と誕生して、相変わらずの盛況にヒートアップしています。
現時点であれこれ論評めいたことは言えないのですが、ディープ&キンカメ後の種付料チャンピオンを張っているエピファネイアに高い熱量の注目が集まっています。スタートしたばかりの新馬戦で次々と勝ち上がり馬を生み出し、ここまで5勝と2歳リーディングのトップを独走しているのも追い風になったのでしょう。代表産駒エフフォーリアの思わぬ躓(つまず)きで足を引っ張られることもなかったようです。セール開始直後にディープ&キンカメ両巨頭を所有していた金子真人オーナーが、母アウェイクのエピファネイア牡駒を2億5000万円で落札したのを、両巨頭後継の“お墨付き”のように感じるのは考えすぎでしょうか。
事実上わずか2世代のみの陣容でディープ、カナロアに続いて総合リーディング3位と獅子奮迅の大健闘をしている良血ドゥラメンテも、ますます評判が高くなっているようです。不幸にも若死したのが惜しまれてなりません。明日上場される当歳馬がラストクロップとなりますが、ビックリするような値が飛び出すかも。前出のモーリスやキズナといった安定株も順調に支持を集めています。
新種牡馬では上々の評判を呼んでいたレイデオロが、良いスタートを切っています。同じく新顔のブリックスアンドモルタルも悪くない評価を得ているようで、競馬場で産駒の溌剌とした走りを見るのが楽しみです。昨年の新種牡馬ドレフォン、今年のニューフェイスであるサトノダイヤモンドやリアルスティールなどもさらなる飛躍が期待できそうで楽しみが膨らみます。いずれにしろ、すべての勝負は競馬場に行ってから、なのでしょうが、その序曲としては十分に楽しめるセールになっていると思えました。