2022.06.13

ロイヤルアスコット開幕

爽やかな初夏の風に乗って、ロイヤルアスコットの季節がやって来ました。とりわけ今年は、エリザベス女王の即位70周年を祝う「プラチナジュビリー」とあって、これまでにないほど国民を挙げて盛り上がりに盛り上がっています。アスコット競馬場に馳せ参じたメンバーも豪華版で、お膝元のイギリスやお隣りのアイルランド勢は怪我でもない限り強豪馬のほとんどが出走の意欲をアピールしています。女王への敬愛と尊敬の念がそうさせずにいないのでしょう。近隣のヨーロッパ諸国はもちろん、アメリカ、オーストラリアなどの古くからイギリスと所縁(ゆかり)の深い国々、そして我が日本も馬券発売を含めて今回の“世紀のカーニバル”に積極的に加わります。

ロイヤルアスコットは例年通り6月中旬の第2火曜から土曜までの5日間にわたって全35レースが開催され、優勝馬には女王または王族の方々からカップが直に手渡されます。初日の第1レースは日本時間の明日夜半にスタートします。300年以上もの大昔に遡るアスコット開闢(かいびゃく)の祖と敬愛されるアン女王を偲ぶクイーンアンSがそのレースです。14戦14勝と圧勝を積み重ねた怪物フランケル、欧州G1最多勝の名牝ゴルディコヴァなどが歴代の勝ち馬に名を連ねています。今年は目下7戦7勝と負け知らずでG1を3連勝中、IFHA(国際競馬統轄機関連盟)ランキングで世界一に君臨するバーイードがゲートインを待っています。いきなり朝一番からG1レースで世界最強馬が登場とはワクワクドキドキで悶絶しそうなゴージャスさです。

その後は来年のクラシックを占う2歳重賞、第3レースのスプリントG1キングズスタンドSには短距離王国オーストラリアから快速ネイチャーストリップが駆け付け、女王の愛馬クイーンズリンが迎え撃つ興味津々の構図です。そして2日目は日本でも馬券発売されるG1プリンスオブウェールズSが世界の熱視線を集めています。昨年の日本ダービー馬であり今春のドバイシーマクラシックを快勝したシャフリヤールにロイヤルアスコット日本馬初勝利に期待がかかります。しかしブックメーカーオッズは、5連勝中の上がり馬とは言え未だG3しか勝っていないベイブリッジに集中しています。しかしIFHAランキングでは、前述のバーイード、ネイチャーストリップに次いで芝部門世界3位に抜擢されています。よほどポテンシャルの高さや奥の深さを評価されているのでしょう。ドバイターフを同着とは言え連覇したロードノースがかすむほどのオッズになっています。

3日目以降も4000mのアスコット名物として絶大な人気を誇るG1ゴールドCでは新旧王者激突のチャンピオンシップが実現します。4日目のG1コロネーションSは英愛仏の1000ギニー馬が一堂に揃い真打ち女王決定戦の趣きです。最終日の大トリに控えるG1プラチナジュビリーSは、初日のキングズスタンドSから中3日でチャレンジする有力馬も多くいるようで、日本ではちょっと見られない“異次元の戦い”は見逃せませんね。いよいよ幕を開けるロイヤルアスコットの見どころを、ざっと走り書きしましたが、明日からは(あくまで興味本位ですが)もう少し突っ込んでみたいと思います。